こんなビラが入ってました

郵便受けに「教育研究会未来」というところが発行しているらしいビラが入っていました。
タイトルは「子どもたちに今、起きていること」。そしてその下に「行き過ぎた「性教育」がもたらしたもの」とあります。最近ネタに困りぎみな私へのプレゼントのようです。ありがたく頂戴しましょう。


ビラには「放っておけません!この現実を」というタイトルのもと、「これが性教育を受けたあとの福岡の現状です」として下のようなことが書いてあります。

●中1兄が小6妹を妊娠させる●小1兄が妹の下着を脱がせて性行為の真似をする(多数例あり)

中1兄や小1兄が「行き過ぎた『性教育』を受けていたかどうかということは分かりませんし、受けていたとしてその影響かどうかはビラからは分かりませんが、このように断言するということは何かしらの証拠を握っているのでしょう。ええ、きっと。でもビラですからそんな細かいことまで書いていられないのです、きっと。


●学校で性器の名称を英語で連呼させたらしく、家で大声で言っている

子どもなんて放っておいても「ちんちん〜」だの「おしり〜」だのと言いたがる時期がありますが、「ちんちん」がよくて(たぶん)「ベニス」がダメな理由は何なんでしょうか。


●わが子から「お父さんとお母さんは3回セックスしたから子どもが3人できたんでしょう」といわれる

たぶん3回どころではないのではないかと思いますが…。ところで「こういうことはプライベートなことなのでやたらと聞いてはいけないよ」というと「口止めをした」といわれるようです。


さらに「産婦人科医の話」としてこんなことが書いています。

小学生(4・5年生)の妊娠中絶は
珍しくない状況

珍しくないそうです。


中学生の妊娠中絶は
あたりまえの状況

あたりまえだそうです。


10代の性感染症
まん延している

まん延しているそうです。
具体的な数値はありません。どの程度を「珍しくない」「あたりまえ」「まん延している」というのかも明示されていません。ちなみにこちらの統計によると、平成15年の福岡県の人工妊娠中絶率は15.9だそうです。これは15〜49歳の女性1,000人に対する数値ですから中学生の実施率はもう少し低い可能性はありますが、このビラ(というかどこやらの産婦人科医)によれば15/1000は「あたりまえ」だそうです。この基準に従えば、2人に1人以上が携帯電話をもっているとされる昨今、携帯電話をもっていない私(でも今年から安心だフォンをつかってるぜ!)はもはや「人間ではない」といえるでしょう。


ふと思いましたが、「妊娠中絶」は「珍しくない」「あたりまえ」というのは「妊娠した場合に中絶することは珍しくない/あたりまえ」ということなのでしょうか。それならば残念ながら中絶を選ぶ(選ばされるのは)「珍しくない」「あたりまえ」なのが現状かもしれません。大変ミスリーディングではありますが。ていうか、なぜ「4・5年生」という不自然な区切りなのでしょう。もしかしたらこの方たちが使っている年次のデータに、4年生、5年生の妊娠中絶は数件あったが6年生は1件もなかったのかもしれない、てなことを邪推してみたくなりますが、まさか、いやまさかそんなことはないでしょう。なんたって「珍しくない」のですから。


また、ビラには「家庭で教える性の神聖さ」という題でこんなことも書いてあります。

かつての日本では、そういうことは学校で教えてもらわなくても家庭でしつけるものであり、女の子には母親がきちんと「嫁にいくまでは大事にすること」を教えましたし、男子には特別教えずとも自然に学ぶものとされていました。

こういうのを「ダブルスタンダード」というわけですが。それに「自然に学ぶものとされて」いた、ということと「自然に『正しい知識を』学べたかどうか」というのはまったく別問題なわけですが、そんなことはどうでもいいのでしょう。というか、男子が「自然に学んだこと」が「正しい知識」だったのでしょう、たぶん(ケッ)。


その証拠が次に書かれてあります。

事実、そのようにして日本人は社会の乱れもなく、秩序を保って生きてきたのではないでしょうか。

そうです。母親が娘にきちんと「嫁にいくまでは大事にすること」を教え、男子が特別教えずとも自然に性について学んできた時代には社会の乱れなどなかったのです。当然少年犯罪なんか今に比べて格段に少なく、特に性犯罪なんか起こりようはずもないのです!それはこのサイトを見ても明らかです!ぽちっとな。




…ええっ!?



ところでこの「教育研究会未来」のサイトを検索してみて、目からウロコなことがありました。「心の教育Q&A」というところですが、

Q 近くのコンビニの前で子供たちが平気で地べたに座って飲食しています。あらゆる所で道ばたに座り込む若者が多いのですが、なぜでしょうか。 (50代 女性)
A お母さんから子供の心へ本当に正しく美しく清い愛を入れてあげたら、子供は清く美しく豊かな心に育ちます。そうすると心で汚いものときれいなものの区別ができるようになり、地べたがいかに汚いか、ということも分かります。食事をするときはどこでするべきか、ということも小さいときにきちんと躾けておけば、地べたには座りませんし、食事もきちんと食卓でとることができます。・・・

どうやら地べたに座ることが問題なのは「地べたが汚いから」なようです。私はてっきりマナーの問題かと思っていたのですが。これからは周りの迷惑など考えることなく、わが子の清潔だけを考えて生活することにします(ウソ)。