ちょっと前の話ですが

いじめ問題などに対する喫緊の提案について ー文部科学省


全部で4つの提案があるのだが、

1.子どもが様々な大人に相談できる場面をつくりましょう
 子どもは一人ひとりプライドを持っており、強い自己防衛的心理を秘めています。このため、周囲の人々に、なかなか自分の弱さを表すことが難しい場合もあります。したがって、学校の内外を問わず、いろいろな場面で、様々な大人と接し、心を開いて相談できる場面をつくる必要があります。

2.学校の中に新たな子どもの居場所をつくりましょう
 以前は、近所のおじさんやおばさんなど、学校の教員や保護者以外の大人たちと接する場面がありました。しかしながら、今の子どもたちには、そういった場面が減ってきています。そのため、学校の中に新たに様々な大人と接し、居場所となるような場をつくっていく必要があります。
 例えば、学校図書館や校長室、校舎・校庭の地域開放、芝生の管理などを通して、地域の大人たちと接する場面をつくっていけば、子どもたちが安心できる場所が増えていきます。

4.実態を把握・分析するとともに、良い取組を共有しましょう
(略)
 これによって、子どもたち一人ひとりが自分に関わる問題を自分の力で解決していく力をつけていくと同時に、自分たちの日常生活の上に多くの暖かい目が注がれ、支援のネットワークが準備されていることを実感させたいと考えます。子どもたちが様々な大人たちに見守られていることを感じさせることが必要です。

あと1つは「3.万が一の場合の初期対応では、専門家が学校をサポートするようにしましょう」。なんだか見事なまでに「大人」「大人」「専門家(≒大人)」「大人」ときている。さらに前文にはこうある。

最近の子どもによるいじめ・暴力行為等問題行動については、大人社会のゆがみを反映していることが一因とも考えられます。子どもを守り育てるためには、何よりもまず、保護者や教員、地域住民を含めた大人全員が自らを律し、自らの生き方を見つめ直す必要があります。子どもは大人を見ながら成長します。その上で、一人でも多くの大人が子どもたちを注意深く見守っていく体制をつくっていく必要があります。

もちろん多様な相談の場や支援体制は必要だと思うが、本当に多様性をもたせようと思うのであればなぜここまで「大人」にこだわるのだろうか。「ピア・サポート」など子どもが子どもを支える体制を整えるという方向性もあると思うのだが。ちょっと検索してみたところ、地方自治体や学校によってはすでに積極的に取り組んでいるところもあるようだ。結果としては4の「良い取組みの共有」のところに入ってくるのかもしれないが、「様々な大人たちに見守られ」とあるように、子どもが中心となる活動を念頭に置いているようには思えないし。2なんかは以前も書いた「昔は良かった」的な発想に「なんだかな」と思ったり。以前は近所のおじさんおばさんとの交流の機会が今より多かったとして(実際のところは分からないが)、いじめられてる子がそれらのおじさんおばさんによって救われるケースなんてどれほどあったのだろう。なんだかすごくパターナリスティックな感じがするというか。


ところでこの会議の名称って、「子どもを守り育てるための体制づくりのための有識者会議」だったのね。なんだこの美しくない日本語の名称は。