日本の親は子供に注意せず 日中韓調査で最低(産経新聞)

調査の単純集計結果はこちらからダウンロードできます。

日本の小学生は中国や韓国に比べて家庭で注意を受ける割合が際立って低いことが7日、財団法人「日本青少年研究所」の調査報告書で分かった。家庭でよく言われる注意事項23項目のうち21項目について3カ国中最下位で、家庭での教育力の低さが浮き彫りになっている。

そもそもこの「日本青少年研究所」の調査って、調査対象の選定とかが毎度毎度気になるんだけど(調査の方法等についてはこちら。しかしなんだ、この散文調の「調査の目的」は)、記事の書き方もなんだかなー。「家庭での教育力の低さが浮き彫りになっている」「先生と親の権威低下がうかがえた」って、「調査の目的」の冒頭に「それぞれの小学 4・5・6年生を対象にする調査は、これまでに実施されたことはない」って書いてあるのに、なんで「低下」とか言い切っちゃうかなー。
研究所のコメントも「?」。

同研究所は「最近の日本の親は、親と子は別個の存在と考える米国型の価値観に変化してきているため、子供に注意をしないのではないか」とみている。

えーっと、調査項目は違うんですけれども、おたくの研究所が1年前に発表した「高校生の友人関係と生活意識−日本・アメリカ・中国・韓国の4ヶ国比較」によりますとね、「父親は私をよく叱る」はアメリカが一番高くなっていますわよ。「父(母)親は私の教育に全力を注いでいる」「よい成績をとったとき、父(母)親はとても喜んでくれる」「父(母)親は私に対して期待が大きい」「父(母)親はよく私を他の人と比べる」なんかも中国、韓国並みかそれ以上に高いし。こういう調査にまったく意味がないとは思わないけど、国際調査の場合は使用される言語によるニュアンスの違いや国ごとの回答傾向なんかがあるので、単純にどっちが低い、高いなんて話はできないと思うんだけどな。
そして斎藤哲瑯(てつろう)・川村学園女子大教授(教育社会学)の話にも「???」。

からしつけをきちんと受けていない「団塊の世代ジュニア」が親になり、子供に何を伝えればいいのかが分からなくなっているのではないか。

団塊の世代ジュニア」が親からきちんとしつけを受けていない(だいたい何を根拠にこんなことを?)のであれば、すでに「団塊の世代ジュニア」が子どもの頃から同様の傾向がみられたはずではなかろうか。ていうか、小学4、5、6年の親世代は「団塊の世代ジュニア」よりもうちょっと上の人が多いんじゃないかと思うんだけど。