「悪い方向」ってどっち?

教育が前回(06年)から12.3ポイント増え36.1%となり、98年にこの質問を盛り込んで以来最高で、初のトップとなった。高校の履修不足問題や、相次ぐいじめ自殺などが影響したとみられる。

また、いじめや必修科目の履修漏れが社会問題化した「教育」では、12.3ポイント増えて36.1%となった。

いじめや未履修などの問題が相次ぐ中、国民の教育に対する不安や不満が高まっていることが裏づけられた。

教育の現状を懸念する人が急増していることが31日、内閣府がまとめた「社会意識に関する世論調査」で明らかになった。子供のいじめ問題や学力低下などで学校教育に対する国民の厳しい見方が強まっていることが背景にあるとみられる。

産経の記事は産経のサイト内で見つけられなかったのでYahoo!ニュースにリンク(産経はこういうことが頻繁にある)。


毎日、朝日、読売の3紙は「いじめ」「未履修」と、産経のみ「いじめ」「学力低下」と関連づけ。この手の調査はメディアの培養効果、あるいは議題設定効果を受ける可能性も大きいと思われる(例えば昨年12月に発表された「治安に関する世論調査」では「飲酒運転による交通事故,ひき逃げなどの悪質・危険な交通法令違反」への不安が急増している)ので、いじめや未履修に関する「報道」が回答に影響したところは実際にあるだろうと思う(学力低下については知らん)。しかし、培養効果が働いたのだとすればそれはあくまでも報道への接触との相関であって実態に即したものとは限らない。また、議題設定効果があったのだとすれば、この結果が示唆しているのは単に「教育」が重要なトピックと見なされている、ということだけであって、具体的な意見の内容、方向性を示すものではない(例えば私がこの調査に回答していたとしたら「教育」を選択しただろうとは思うが、それは安倍政権の発足およびその後の一連の動きによるものであって、いじめや未履修がその理由ではない)。というわけで、この調査結果の今後の利用のされ方にちょっと注目。