法と道徳

「性道徳、貞操義務」崩れる 長勢法相、300日問題で
だったら男性の性道徳、貞操義務はどうなのかと。現行民法では「男性Aが妻B以外の女性Cと性的関係をもち女性Cが妊娠→直後に男性Aと妻Bが離婚、男性Aは女性Cとすぐに再婚→再婚後200日を過ぎて女性Cが出産」てな場合には、離婚前の妊娠であるにもかかわらず、子どもはAとCの子だと認めるわけですよね。男性の婚姻外性交についてはオッケーだと? まあ当初の民法(および刑法)は実際そういう面を強くもっていたわけで、この人が守りたい「民法の根幹」ってつまりそういうこと?
ところで所謂保守派の意見には「○○をすると(認めると)××になる」的な意見が多いように思う。「避妊の方法を教えると(または、女性の自己決定権を認めると)安易なセックスや中絶が増える」「赤ちゃんポストは子捨てを助長する」「教科書で離婚について教えるなんて離婚やシングルマザーを推奨している」「夫婦別姓を認めると家族の絆が崩壊する」エトセトラ、エトセトラ。その最たるものが西村真悟の「強姦しても罰せられないんやったら、俺らみんな強姦魔になってるやん」なわけですが。この人は強姦罪がなければ強姦してしまうような人間なんでしょうが(つーか、弁護士法違反してるじゃん)、世の多くの男性もそうなんでしょうか? まあ中にはそういう人もいるかもしれませんが、私は強姦なんてしない多くの男性は罰せられるからしないのではなくて、それが道徳的に悪いことだと思っているからではないかと感じているのですが、違うんでしょうか? なんつーか、「法律を守る」というのは道徳かもしれないけれども、「法律」自体は別に道徳的なわけではないと思うんだよね。ホリエモンの買収騒動があった時に「法を破らなければ何をやっていいというわけではない」とかいう感じでホリエモンのモラルを云々してた自民党議員ってけっこういなかったっけ(ちなみにこういう人たちは松岡農相の言い分についてはどう思っているのかな)。法律や規則で道徳を守らせようとするのには限界がある(っていうか、メリットやデメリットがあるからやめておこう、ってのは道徳なんだろうか?)と思うのだけれど、こういう人たちにとっては「法=道徳」なのかしら。そのわりには憲法にいちゃもんつけるよね。それとも西村真悟のように、自分自身が「○○すると××してしまう」人間だから、法で縛ろうとするのだろうか、とか思ったり。