プリキュアについて

以前から「プリキュア」という名前の由来について気になっていて。プリティは分かるけど、キュアキュア(「ふたりはプリキュア」主題歌より)って何だよ、と。それが、最近になってふと、「キュア=癒し(系)」と気づいた(遅いですか、そうですか)。と同時に、アニメのヒロインというのはおのれの拳でガチンコで闘うようになってもかわいさと癒しを求められちゃうわけね、と微妙な気持ちになってみたり。「俺の上司は仕事はバリバリできるけど、美人でファッションセンスも良くて、周囲への気配りもバッチリ。俺は彼女を尊敬しているし、権利ばっかり主張するようなフェミ女が嫌いなだけで、女性に対する差別意識なんかまったく持ってないさ」てなことをほざいていた人(誰だそれは)をほんのりと思い出したり(遠い目)。
とはいえ。「ふたりはプリキュア」のヒロインたちは、なぎさはスポーツ万能でラクロス部のキャプテン、ほのかは成績優秀で科学部の部長と、それぞれ従来の女の子キャラ的な部分(なぎさは意外とオクテで恥ずかしがりや、ほのかは清楚なお嬢様、とか)を残しつつも、いわば「デキる女」だった。そして「体育会系デキる女+文科系デキる女」というキャラ設定は、多少弱められた感はあるものの、「スプラッシュスター」でも踏襲されていた。
それが「プリキュア5」になると、メインキャラののぞみは勉強もスポーツも苦手でこれといった取り柄なしのドジッ子、でもいつも明るくて自分よりも他人のことを思いやる*1という、二昔前の少女漫画のヒロインのようになってしまった。まあ体育会系デキる女キャラはりんが、文科系デキる女キャラはかれんが引き継いではいるのだが、癒し系のこまち、アイドルのうららと、明るく無邪気な女、忍ぶ女が数の上で上回ってしまった。ついでにいうと、デキる女キャラのかれんは、最初プリキュアになろうとするもそれが義務感からであったためにピンキーキャッチュに拒まれる、という挫折を経験している。デキる女が挫折を経験してその後ややしおらしくなる、ってのも昔の少女漫画で見かけたような。いや、今でも「踊る大走査線」の映画とかあるけど。さらに、メインキャラであるキュアドリームのカラーは「ピンク」だし、前2シリーズでは再度ストーリー的だった「恋愛」がややメイン化してきている気もするし。
ふたりはプリキュア」はキャラ設定とかガチンコ戦闘シーンとかキャラクターのカラー(黒と白)とか、いろいろと画期的な部分があったように思うんだけど、シリーズが進むにつれてそれらがトーンダウンしていった、というか、従来の女の子アニメに先祖帰りしてしまった感があってとても残念。
ところで、自分の周辺を見る限りにおいては、キュアドリームキュアレモネードが子ども(特に女の子たち)に人気がある気がする。「ピンク」と「黄色」。まさに戦隊ものの女の子キャラのカラーなのは偶然だろうか。まあ、あくまでも私の印象なので、実際にどのキャラが一番人気なのかは分からないのですが。

*1:ただこの点については、少なくとも私にはそういう風に見えにくいんだな。押しつけがましく見えてあんまり共感できないというか、まあ正直ウザイ。