「食育」について

今日の朝日の朝刊のオピニオン欄に、管理栄養士の河合知子さんのインタビューが掲載されていた。食の大切さについて十分に認識し、なおかつその重要性を主張しつつ、一方でお上主導の「食育」の問題点を鋭く指摘する点に大変共感した。
例えばこんな感じ。

ー食に関する知識を広め、学ぶのは、大いに結構なことだと思います。いったい何が問題なのでしょう。
食育基本法のあり方です。『国民運動として食育に取り組む』なんて、法律でいうのは変ですよ。国民運動とは自分たちで起こすものでしょう。『食』は衣食住の中でも一番、他人の目に触れにくい、個人や家族単位でする行為です。それについて、国民運動と称してお上が旗を振ることに、危うさを感じます」

基本法の背景には、01年に国内でも初めて確認された牛海綿状脳症BSE)や翌年の食肉偽装など、食を脅かす事件がありました。食の安全を守るためにも、旗振りが必要なのでは?
「それは見当違いです。食の安全は国の責任で、食育とは別のこと。お金ある人もない人も、食への関心が高くても低くても、誰もが安全なものを食べられるようにするのが、国の役目です」

ーしかし、食育そのものは、悪いことではありませんよね?
「だから異論を唱えにくいのです。(略)
内容も『朝ご飯を食べましょう』といったスローガンが多い。もちろん食べた方がいいに決まってます。ですが、『なぜ、食べない子がいるのか』『家族関係や親の労働条件は』と背景に目を向けなければ、根本的な解決につながりません。複眼的な思考が欠けているのが気になります」

これは是非エントリで紹介したいと思い、ウェブ上にアップされてないかと検索したら、下のような記事がヒットしました。




orz orz orz。
なぜキョーザ中毒事件や事故米の不正転売が「食育推進」や「啓発」に結びつけられるのか???
農政ニュースは見出しだけなんだけど、時事ドットコムは「白書は、昨年1月の中国製冷凍ギョーザ中毒事件、同年9月に発覚した事故米の食用への不正転売など「食の安全」を揺るがせた事態の多発を受け、それぞれの経過や政府の対応を記述し、国民の一段の意識啓発を図った」て。意味わかんねーよ。どっちも一般市民の側では防ぎようがないでしょーよ。
白書の問題なのか、記事の問題のなのか? 白書読むの面倒くさいけど、時間見つけて読んでみます。


結局、河合知子さんのインタビューはウェブ上で見つけられず。こういうのこそ広く紹介してほしいのだが。