そうそう、出典は明らかに・・・ん?



内容についてはすでにブクマにてたくさんの方がツッコミを入れられておりますが、今回取り上げたいのはこの点。

また、中高生の6割以上が「両親の別姓」を嫌がっているという別の調査もある。

これに関してはgegengaさんが「どんな調査が具体的に書け」と大変的確な指摘をなさっておられます。私もどんな調査か興味があったので検索してみました。

民間団体「心の教育・女性フォーラム」が13年に都内の中高生を対象に行った調査でも、自分の両親が別姓になったら「嫌だと思う」(41・6%)と「変な感じがする」(24・8%)が合わせて6割超。「何も感じない」(26・2%)と「うれしい」(2・2%)を大きく上回っている。

答えは産経新聞の記事の中にありました。「変な感じがする」を「嫌がっている」と表現するのはいかがなものかという気もするのですが、とりあえずもっと具体的な調査内容が知りたいと思い、「心の教育・女性フォーラム」で検索してみました。

子どもたちは未来の日本の宝物です。しかし、そんな子どもたちを取り巻く環境は日に日に深刻さを増し、やさしさや思い遣りに欠けた子どもたちの増加は、日本の将来に暗い影を落としています。「心の教育・女性フォーラム」は、子どもたちの心の荒廃が社会問題とされる中、設立された女性による組織です。フォーラムでは女性のこまやかな視点から心豊かな子どもたちを育む環境を考え、心の教育の充実を図るための活動を推進しています。

でまあシンポジウムの報告等が載っているのですが、パネリストやコーディネーターは、別のページで見つけた方も含めると服部幸應氏、冨田和巳氏、有村治子氏、石川水穂氏、林道義氏、山谷えり子氏、石井昌浩氏、大津寄章三氏などなど、いわば「おなじみの」面々といってよろしいのではないかと。
もちろん民間団体?でこういう調査をやるのは賛成にしろ反対にしろ当該の問題に関心の高い人たちだと思いますので、意見の方向性がこれこれだから調査の信憑性がないということではないと思いますが、ただ、失礼ながら、きちんとした手続きを踏まえた調査なのかなあという疑問は大いに湧いてしまいます。失礼ながら。ただ私としては両親が同姓である人が大半であろうサンプルにおいて、「嫌だと思う」「変な感じがする」という回答が多数を占めるのは当然ではないかと思います。むしろそういう状況において「自分の両親が」という設問に対し「何も感じない」が4人に1人を占めているというのはずいぶん高いような気がします。あるいはこれが「友達の両親が別姓だったら」とか、実際に両親が別姓を希望しているとか通称で別姓を使用している人(だって今導入が検討されているのは「選択的」夫婦別姓なわけですから)に限ってみたら、またずいぶん違った結果になったのではないでしょうか。まあそもこの調査のサンプリングがどうなっているかとか、どういう質問の仕方をとったかということが分からないので、どの程度一般化可能な調査結果なのかという問題に戻るわけですが。そもそも平成13年とかなり古い調査ですし。
しかし、せっかく調査の出典が(一応)明らかになっているのに、産経のサイトには掲載されてないんですね、この記事。調査結果を引用するにあたっては出典が明記されていないよりは明記されている方が好ましいことは言うまでもないはずなのですけどね。


しかし、一連の産経の報道に関しては「あなたは何を恐れているの? まるで迷子のキツネリスのように」という台詞を投げかけてあげたい気分です。迷子のキツネリスに失礼かもしれませんが。