素人化する子育て支援?

保育ママについて、某市長の思いつきが取り沙汰されてたりしますが、福岡県でもこんな計画があるらしいっす。

福岡県の小川洋知事は4日の定例記者会見で、高齢者に保育所で保育士の手助けをしてもらったり、若い親からの子育てに関する相談に乗ってもらったりする仕組みを検討する考えを明らかにした。市町村に意見を聞くなどして施策を具体化し、新規事業として来年度予算案に盛り込む方針だ。

 小川知事は「高齢者の中には子育ての経験が豊富な人も多い。経験を子育て支援のために生かしていただきたい。同時に、高齢者自身の生きがいにもつながるのではないか」と述べた。託児所などへの子どもの送り迎えを高齢者に頼める制度も例として挙げた。

保育士の手助けにしても、子育てに関する相談にしても、誰にでもできるものだとは思わないし、誰にでもやってもらっても子どもの親としては困ると思うんだけど、その辺の資格要件とか研修制度とかどうするつもりなんだろうか。託児所への送り迎えとかなら現在でも県内の半数くらいの市町村にはファミリーサポート制度があると思うのだが、ファミサポとどう差別化するんだろう。まさか、研修なしでも引き受けられるとか? 親の立場としてはそんなのご免被りたい気がするのだが。
それに「高齢者の中には子育ての経験が豊富な人も多い」というが、子どものいる前期高齢者女性の約7割は、子ども数は2人以下だと思われる。子ども3人まで含めると95%にのぼる。自分の子どもに限っていうならば、特に子育て経験が豊富だとも思えない。私なんか離乳食にしてもトイレトレにしても、1人目のときにどうやって進めたかなんて2人目のとき(4年半後)にはすっかり消し飛んでたしなー。それに世代が違いすぎると子育てに関する状況や考え方が違ってくるから、そのへんの食い違いも生じそうに思う。私の母親は元看護師&保健師であり、市の乳幼児健診にも行っていたが、性格的にかなり独善的なところもあるし、正直子育てのことを相談したいと思わない(ていうか出産後に心理的な溝ができた口(汗))。いろんな世代の人がいて、その中で高齢者もってのならまだ分からんでもないが、高齢者ピンポイントってのはどうなんだろう。
それに人が動けば当然お金も発生するものだと思うのだけど、それはどうなるんだろうか。ファミサポでも対応できる「託児所の送り迎え」をわざわざあげていることから、もしかしてファミサポより安くするつもりなんだろうか(ファミサポはだいたい500〜800円/時間ぐらいのようだが)。もしそうなら、結局は「安く済ます」ことが目的なんじゃないかと勘ぐってしまうよ。
高齢者の生きがいづくりも大事だろうけど、そのために子どもを利用するのは勘弁してほしいわ。