「お母さんは大変」からの…?

もうすでにあちこちで話題になっているサイボウズのCM。

先日公開された第2弾をみた感想は、やはり肩すかしというかなんというか、「え、それ?」みたいな。
人にもよるんだろうけど、自分の場合は子育てでいっぱいいっぱいの時に夫がギューとかしてきたら、「子供の世話で大変な時に大人の世話までしてられっか!」と怒髪天をついてしまいそうである。

育児中のお母さんの大変さを伝えたいということなのかもしれないけれども、やっぱり「ママにしかできないこと」って表現はおかしいよね。実際にやってるパパだっているわけだし、斗比主さんが書いていたように、「ママばかりがやっていること」だったらまた違った反応があっただろうに。

それに味の素のCMの時も思ったんだけど、子育てに関して「お母さんは大変」なのが多くの場合の現状だとしても、それを強調しすぎるのが問題だと思うのは、そこから「そんな大変なことをやってるお母さんは素晴らしい!」に安易に向かってしまうことがあること。「お母さんは大変」だと思うなら、お母さんがもっと楽になる方法を考えることとセットでないと、「大変」「すごい」「えらい」だけじゃ結局それが固定化されてしまうだけじゃないかしらん。
CMの中で西田尚美が「優しい言葉一つで頑張れちゃうんだよねー」って言ってるけど、「いやそこで頑張らせちゃダメだろう!」って。いや、頑張らなきゃいけない時もたくさんあるけど、そしたら延々と頑張り続けなきゃいけないじゃんって。


話は変わるようですが、私が最近非常に脱力した福岡市の男女共同参画センターの企画がこれ。

「妻のチャレンジ」ってのは再就職のことのようですが、チラシにでかでかと書かれているのが「どうする?妻の再就職。俺の晩飯!」。
「就職を希望する妻とその夫」が対象で、1回目の講座(ワークショップ?)は夫婦で参加、2回目の講座(料理教室「男の愛情フレンチが我が家を救う」)は夫のみ参加。そしてそのメニューが「ズワイガニとアボカドのタルタル/若鶏とかぶのクリーム煮/マドレーヌショコラ」だと…? これが「俺の晩飯」…? すごく「週末に金と時間と手間かけてつくる『男の料理』」臭がするのは気のせいだろうか。
「共働き家族の笑顔を支える愛情メニュー」より、「30分で2品、3品つくれるメニュー」の方がよっぽど共働き家庭を救うよ。結局これも「平日の家事は妻任せで、週末は夫が腕をふるって妻の息抜きタイムを」的な考えなんじゃないのかなーって。でも、料理しつけてない夫の料理よりも、外食の方が息抜きになりそうだよな。
まあね、肉野菜炒めじゃ参加者が集まらないのかもしれないけどね。これが市民グループ企画の講座ではなく、センター主催なのが悲しいよ。しかも、1回目の講座の講師の方は、お二人とも「婚学普及協会」の理事さんのようでorz。