組体操問題 その2

大阪の中学校の組体操で(練習でも1度も成功しなかったという)10段ピラミッドが崩れ、生徒が重傷を負ったという件について、今朝のワイドショーでも映像が放映されていた。

テレビでも取り上げられたことで、小中高校の運動会・体育祭において組体操を実施すべきかどうかについてもっと議論になるといいなと思ったものの、今朝の朝日新聞地域面(福岡版)では、「小さな目」という子どもの詩を掲載するコーナーで小学6年生のこんな詩が掲載された

「歯を食いしばった5段タワー」


  僕はタワーの一番下だ
  どんどん人が上がっていく
  人の重みがかかってきた
  一段目が上がりだした
  二段、三段と上がって
  完成の笛が鳴った

  「ピピーッ」
  観客から拍手をもらった
  歯を食いしばった
  石がひざにくいこんできた
  成功した
  心の中で喜んだ
 「元にもどるまでが技だ」
  うれしくて
  こぶしを上げたかった
  笑顔で終われた

最初、5段ピラミッドと勘違いし、「まー、小学生なんだからせいぜいそのぐらいだよね」と思ったが、ピラミッドではなくタワーだった。うちの子の小学校はたぶん3段だったと思うのだが、正直それでもハラハラするのに、5段タワーだった。画像を検索してみると、かなりの高さになる。
また、内田良さんの書かれた記事によると、タワーはピラミッドよりもさらに危険(事故が多い)らしい。

この詩を書いた子の達成感を否定する気はない。練習も頑張っただろうし、成功して嬉しかっただろう。
でも、その成功と紙一重で重大な事故が起きたかもしれない。さらに、テレビや新聞等のマスメディアにおいて組体操の危険性が取り上げられるようになり、朝日新聞においてもその問題性を(主要なマスメデイアとしてはおそらく比較的早い段階で)取り上げていたにもかかわらず、このタイミングでこの詩かよ!という気持ちにはなる。

前のエントリでも書いたが、福岡県は組体操の事故での訴訟が過去に複数起こっている。そして、事故を受けてピラミッドの段数等にも制限が設けられているらしい(とはいえ、危険性がない段数ではないし、学校によっては「制限を越えての演技の許可を得た」と学校関係者が誇らしげに語り、制限を超える演技を実施する学校もあるとも聞く)。こんなことでは、組体操の実施そのものが見送られる日など遥か遠くなのだろうか…。