組体操問題 その3

福岡市のHPには「寄せられた市民の声」というコーナーがあり、市民からの質問や要望とそれに対する担当課の回答が掲載されている。

そのコーナーに先日、「中学校体育祭の組体操について」という質問と回答が掲載されていた。まず、質問は下の通り。

中学の体育祭で男子全員による組体操があります。
男子生徒らしい力強い演技に感動する一方で,保護者としては心配でなりません。
特に全員によるピラミッドはとても不安です。
先日も大阪の中学でピラミッドが崩れけが人が出たとの報道がありました。
福岡市でも高さ制限を設ける措置を取るべきだと思います。
重大な事故に繋がる恐れがあります。
ぜひ検討してください。

それに対する市教委(指導部学校指導課)の回答は次のようなものである。

 運動会・体育大会における組体操の事故防止につきましては,今年4月に全学校長・園長に対して,段階的な練習や十分な練習期間を設定し,子どもたちの実態以上に難易度の高い競技や演技内容にならないよう配慮すること,1つのピラミッド等に対して前後,左右,斜め等,複数の補助者を必ず配置すること,参観者が安心できる競技,演技,ルール,補助者等を設定することを通知し,子どもたちの安全確保に十分努めるよう指導しております。
 なお,ピラミッドの高さにつきましては,子どもたちや環境の実態に応じ,各学校で子どもたちの安全確保を最優先として決定するようにしております。
 今後も,子どもたちに事故がなく,そして心に残る運動会・体育大会になるよう,各学校を指導してまいります。

まず、質問者が例に挙げている大阪での事故映像を見れば、当該の中学校においてもピラミッドの周辺に複数の補助者が配置されていたこと、そしてピラミッドが崩れた際にそれら補助者の存在がなんら役に立たなかったことが分かるはずである。また、「子どもたちの実態以上に難易度の高い競技や演技内容にならないよう配慮する」「参観者が安心できる競技,演技,ルール,補助者等を設定する」「ピラミッドの高さについては,子どもたちや環境の実態に応じ,各学校で子どもたちの安全確保を最優先として決定する」等とあるが、それが具体的にどのような手順でどのように決定されるべきだと考えているかは全く不透明だ。ちなみに我が子が通う中学では、男子組体操での演技に関して生徒や保護者の意見が聴取されたという話も聞かないし、学校だより等において「市教委からこういう指導があったがこれこれこういう理由でこのような演技内容になった」等の説明もなかった。
近年、ネット上だけではなくマスメディア、それも全国紙やキー局の番組等の主要なマスメディアで組体操の危険性が取り上げられ、全国的に事故が起きている実態も明らかにされているにもかかわらず、上記のような回答や対応はそれをきちんと受け止めているとはとても思えず、今後も(半裸での演技を含め)「従来通り」を続けるつもりでしかないのだろうと絶望的な気持ちになるのねん。