企業戦士と妻への評価

Twitterで、お弁当が冷凍食品ばかりでごめんと夫に言うと、企業努力の結晶が愛情のこもってないものとは思わないとの名言をいただいた、というツイートを読んで思い出したこと。

たぶんもう15年ぐらい前の新聞の投書欄(たぶん地方版だったと思う)のとある男性の投稿で、「小腹が空いたので、キッチンでインスタントラーメンを作っていた。茹で上がるのを待っていたら火を止める前に添付のスープを妻が入れてしまった。火を止めた後にスープを入れるよう袋に書いてあると妻に文句をいうと、「いいじゃない、どっちでも同じでしょ」と。その投稿は、「インスタントラーメンを最もおいしく食べるために火を止めた後にスープを入れるという手順を編み出した開発者に企業戦士たる自分は痛く共感するのであるが、専業主婦の妻には分からないのであろう」といった言葉で締めくくられていた。

どちらも同じように商品開発をしたメーカーの社員にシンパシーを抱いているのに、妻への態度の印象がずいぶん違うなーという新鮮な驚きがあった。ラーメン夫は表示通りの手順を妻が守らなかったことが不服なのであって、もし妻が袋に記載された手順通りに作ったラーメンを「インスタントでごめんね」と出せば、「企業戦士が最もおいしく食べられるように考え開発したラーメンだから何の問題ない」と回答した可能性も考えられなくもない。が、そもそもなぜ妻が(わざわざ)スープを入れたのかと考えると、普段の妻の料理に対する夫の態度(何を作っても反応がないとか、ラーメンを作っても後片付けはしないとか)がそうさせた部分もあるのではないかとか思うところもあったりする。確認のしようはないわけだが。「会ったこともないよその会社の社員には共感するけど、専業主婦である妻には共感しない人」に感じる冷ややかな感覚みたいな。
まあなんというか、15年も人をモヤモヤさせる新聞投稿ってのもなんかすごいよねーということであろうか(適当)。

ちなみに、その投稿への(後日新聞に掲載された)反応が、女性からの「インスタントラーメンでも、こういう工夫(一緒に別の具を炒めるとか、きざみネギを入れるとか)をすればおいしく食べられますよ」みたいな投書のオンパレードでウンザリした記憶があります。