中川秀直の強引さがなんかスゴい

ネットで調べものをしていたらたまたま中川秀直のブログのエントリが引っかかって、覗いてみたついでに最新のエントリをクリックしたらなんかすごかった。

共同通信報道2001世論調査についてなんですが、何がスゴいかってその解釈。

共同通信では内閣支持率は1・8ポイント増の26・8%である。(略)

サミット指導力を評価しないは51・4%だが、評価するは30・3%あり、ここでもわからないが18・3%もある。サミットでの指導力を評価するが30・3%もあるのだから、潜在的内閣支持率は30%とみるべきだろう。

「サミットでの指導力の評価=支持率」なんだそうです。
ていうか、もしそうだったらサミットでの指導力を評価すると答えた30.3%の人たちは、普通に「福田内閣を支持する」と答えると思います。
拉致問題での福田首相指導力についての評価を尋ねたらどうなるんだろうか。

しかも、サミットで温暖化対策が前進したと思うが37・2%、そうは思わない56・2%、わからない6・6%となっている。この意味は指導力を評価する30・3%の前提に、温暖化対策が前進したと思う37・2%があり、指導力を評価するが上昇基調にあることを示している。

すみません。意味が分かりません。
(サミットでの)指導力を評価するが上昇基調って、福田首相で以前にもサミット開催しましたっけ?
そもそも「温暖化対策前進=指導力評価」とはならないし、「温暖化対策が前進した」と答えている人と「指導力を評価する」と回答した人が重なっているとは限らないのですが。仮に重なっているとしても、温暖化対策を前進したとしている人で指導力を評価していない人が7%いることになるわけで。

内閣不支持の最大の理由が総理の指導力がないにあるのだから、その指導力の見直しが始まったのだから、内閣支持率は横ばいではなく、アップなのである。

内閣府支持の最大の理由は(あなたのブログによると)「経済政策に期待が持てない」ですよ、というのはおいといて、「温暖化対策の前進=サミットでの指導力評価=首相の(全般的な)指導力評価=内閣支持率」というなんともアクロバティックな論理展開です。うーん、スリリング。

そして次に、総選挙後の政権についてです。

報道2001の「次の総選挙後にどういう政権を期待しますか」の設問がそれである。(略)総選挙は政権選択選挙になると言われているが、民主党中心の政権が26・8%であることは、民主党への政権交代を民意は期待していないとなる。

民主党中心の政権に交代するのがよい」が45%に上っている共同通信の調査はなぜかスルーです。
しかも、報道2001の調査でも「自民党中心の政権」が14.7%なので、この論理ならば自民党中心の政権が続くことを民意はそれ以上に期待していない、となりそうなのですが、なぜかスルーです。

逆に、自民党中心の政権14・7%と自民・民主両党による大連立政権33・7%の合算が48・5%もあることは、自民党中心の大連立政権を期待しているとなる。

なぜか自民党だけ合算してます。ちなみに民主党中心の政権と自民・民主による大連立政権を合算すると60.5%となります。60%と48%のどちらが多いか、いやそれ以前に26%と14%のどちらが多いか、幼稚園児でも分かりそうなものですが。

では、何故、民意は自民党中心の大連立政権を期待しているのかである。霞が関改革をなし、国のかたち、仕組みを変えることである。

最初の文章と後の文章のつながりがよく分かりませんが、そもそも自民党中心の大連立政権は(ry。

総選挙の帰趨を決する首都圏で、民意の48・5%が自民党を中心とする大連立政権を期待しているとの意味は極めて重たいのである。これは、「静かなる革命」「霞ヶ関改革」を断行することへの期待である。この期待に応えなければ、自民党の明日はない。

だから自民党中心の大(ry。
そもそも「民意の期待」を読み誤っている時点で明日がないような気がします。いや、民意をきちんと読んじゃうと明日がなくなっちゃうのか。

これが計算した上でのボケ倒し芸であれば、ある意味ものスゴいキレ味だと思うのですが、本気で書いてるんですかねえ…。しかし、読んだ人が納得すると思って書いてるんだろうか。
いずれにしても、中川秀直の考える「民意」がどういうものか、よく分かる文章ではありますが。