なんだか大変残念な感じの福岡県警サイト

例によって、帰宅時には複数で行動しろだの、遅くなったら家族に迎えにきてもらえだの、エレベーターに乗る時やドアを開ける前に周囲を確認しろだの、女性がやるべきことのオンパレードなのだが、加えて「警戒心が薄く『隙がある女性』を狙っている」「『自分は大丈夫。』という甘い考え」など、被害に遭う女性に落ち度があった、と受け取られかねないような記述がある。
そのうえ、「犯人を検挙し、今後の被害を増やさないためには、あなたの協力が必要です」「あなたの勇気が犯罪者の検挙や再発防止につながります」など、被害に遭った場合の通報を求める理由として、再発防止が挙げられている。もちろん、加害者が常習犯であれば、検挙されれば別の被害は防げるかもしれないが、性犯罪の被害者に対し(しかも被害に遭った直後に)他人の心配までさせようというのは酷な話ではなかろうか。本当に通報してほしいなら、「これらの対策が取られていなかったとしても、被害者に非はない」と一言でも添えられないものだろうか。被害を届けられないのは「羞恥心」からだけはないはずである。
ついでにいうと、福岡県の強姦の検挙率は78.9%、強制わいせつの検挙率は38.5%で、警察庁全体のの82.5%、51.8%よりも低い。「あなたの勇気が犯罪者の検挙(略)につながります」という以前に検挙率を上げてくれや、とも思う。
さらにさらに、上のページに通報先として記されているのは「110番」だけである。福岡県警は犯罪被害者ための相談電話である「ミズリリーフライン」を開設している。もちろんこれは「通報」するためのものではないのだが、被害者のことを考えればまず、このような相談電話の周知に力を入れるべきではないだろうか。
ちなみに、上記のページと同じ「女性の安全対策」というくくりの中に「犯罪被害にあわれた方の心のケアをお手伝いします」というリンクがあるのだが、そこをクリックすると、なんとどこにもリンクが貼られていないという状況である。
そんなわけで、なんだかいろいろと残念なのである。