専業主婦に生活満足度高く 若い世代「時間にゆとり」

id:kmizusawaさんのエントリを読んで、この記事で扱われた調査について調べてみた。
結果速報
また、もう少し詳しい調査結果はこちら
生活満足度のデータをみると、確かに専業主婦の生活満足度は高いのだが、むしろ注目すべきは無職者の生活満足度の低さではないだろうか。あるいは非正規雇用で「経済的余裕がある」と回答する比率が低い(無職者よりは高いとはいえ)こととか。また、id:kmizusawaさんが「無職者のデータはどうなってるんでしょうか」とおっしゃっていたが、無職者の約84%が「時間的ゆとりがある」と回答しているが、記事では無視されている(専業主婦は約58%)。
ちなみに、調査タイトルは「若者の仕事生活実態調査」で、調査の目的は「若者の仕事や生活における充実感や自己評価の実態を明らかにするとともに、学校を卒業した後、社会で充実感を感じ自信を持って仕事や生活をするためには、子どもの頃のどんな体験が必要なのか、また教育はどのような役割を果たすべきか、探ること」らしい。実際の分析結果もどちらかといえば有職者間の差異に焦点を当てていので、やはり「専業主婦」を見出しにもってきた共同通信の記事はズレている感じがする。本当にこの記事を書いた記者の意図は何なんでしょうね。
ちなみに「年齢も経験も立場も価値観も異なる多様な大人と接することにより、子どもは、初対面の人でも臆することなく話ができるようになったり、新たな自分の適性や能力を発見したり、 将来の目標となるモデルを見つけたります。そして、子どもの頃の体験から得られた自分の態度・能力に関する自信が、成人してからの仕事生活のさまざまな場面に生かされ、充実感へとつながっていくのだと考えられます」という分析。これに関しては「現在の生活に充実感を感じている人は過去の記憶についても肯定的に呼び起こす」という逆の可能性もあるのではないかと思われる(過去の体験についての選択肢が「よくあった」「ときどきあった」などの主観的なもののようだし)。いろんな体験をする事自体はよいことだとは思うけどさ。食育と同様それが手段化してしまうとしたらなんかねーと思う。
まあ、そもそもがインターネット調査である(ランダムサンプリングではない)ことを考慮しておく必要がありますけどね。