「食文化の崩壊」とかいうけどさ…その2

id:kmizusawaさん経由で知った記事。
【特報 追う】食育はまず家庭から(産経Web2006.10.26)

 芋煮の食材としてもなじみ深いさといもは抵抗感なく口に運んでいた児童たちも、「初めて食べる」という声の多かっためざしには悪戦苦闘。クラスの3分の1から「苦い、まずい」といった本音が漏れていた。

めざしの味自体はそもそも万人がおいしいと思える味ではないんでは。苦味はあるし、モノによってはとんでもなくしょっぱいし。相手が子どもであることを考えると「苦い、まずい」と言ったのが3分の1にとどまったのなら結構なもんだと思うが。子どもの頃から好き嫌いがなかった自分でも、初めて苦瓜を食べたときはおいしくないと思ったしな。

国が実施した食に関するアンケート調査では、大人、子供双方の食の崩壊が浮き彫りになっている。
(中略)
 また、未就学児から中学生が家族そろって夕食を取る頻度(13年)は、週1−3回と回答した割合が5割を超え、「ほとんどない」も7.3%に上っている。週1回という回答が、24.2%(昭和61年)から31.2%へ大幅に増加している。

ええっと、もし我が家が調査対象になったとすると…家族そろって夕食を取るのはほぼ週に2日しかありません。なぜなら父親の帰りが9時や10時を過ぎるから。まさか3歳児をそんな時間まで待たせるわけにはいきますまい? 小学生ぐらいまでの子どもがいる友だちの家でもだいたい同じような状況のようです。それから自分の子どもの頃であれば、アンケートの時期によっては「ほとんどない」という回答になったと思います。私の父は船の仕事をしていたので、7、8ヶ月船に乗り、船を降りたら数ヶ月家におり、また半年以上船に…という生活だったからです。もしかしたら母、兄、私を家族とみなして「ほぼ毎日」と回答したかもしれませんが、そうしたら「父親を家族とみなさないなんてけしからん!」と山谷さんあたりに怒られたかな。
子どものいる家で家族そろって夕食を取らせようと思うなら、毎日7時過ぎぐらいには皆帰宅してもらわなければいけないわけで、はたしてそれができる職場環境が日本でどの程度あるというのでしょうか(加えて子どもだって塾や習い事で忙しいわけで)。そんなところに目も向けないで、安易に「食の崩壊」とかいってんじゃねーよ、と思うのでございます。