「食文化の崩壊」とかいうけどさ…

ブラブラしていてたまたまみつけた記事。
亡食の時代・食卓は今「(1)朝ご飯はガム 常識が常識でなくなった」(産経Web2006.01.05 )
一部の極端な事例を取り上げて全体を語ろうとするのはこういう記事によくみられるやり方ではありますが…。

スキムミルク脱脂粉乳)って牛の骨でできているんやろ?」
「恐ろしい食べ物やねえ」。子供がそう続けるのを、山本さんは耐えきれずに「100%牛のお乳でできているんだよ」と遮った。「粉状で白くサラサラしているから、牛の骨を削っていると思ったのでしょうか。それにしても…」。食の現場で子供に接すると、常識だと思っていたことが、常識ではなくなっている現実に直面する機会が増えている。

正直スキムミルクことなんて知らなくても別にいいじゃん、と思うのだが。幅広い知識を身につけるのはよいことだとは思うが、スキムミルクのことを知らないからといって嘆くほどのことじゃない。

幼稚園児や保育園児にお茶のいれ方を指導すると、まるで演奏会のように「カラン」「ゴロン」という音が部屋に響き渡る。お茶のいれ方が分からないのだ。急須や、やかんからお茶を注いだ経験がないため、フタが床に転がり落ちてしまう。

私自身、就学前にお茶を入れた記憶はないが、それは「惨状」と言われてしまうほどの問題だったのか。知らんかった。

お茶をいれられないのは子供だけではない。東京都内のある大手百貨店では、「女性の新入社員のお茶のいれ方がひどくなっている」という嘆きの声が漏れる。濃くて苦くて、とても飲めない代物だったり、茶碗(ちゃわん)を持ち上げられないくらいなみなみと注いだり…。先輩社員の一人は「これまで(お茶をいれた)経験がないのは一目瞭然(りょうぜん)」とあきれ果てた。

こんなことを聞くのは野暮かもしれませんが、なぜに「女性の」新入社員に限定しやがりますか? 
つーか、自分の飲むお茶を自分で入れたり、自分の使った茶碗を自分で洗うという頭すらない大人をたくさんみてきましたが。主に男性ですが。ええ。知識や技術があっても(こういう人たちに知識や技術があるのか知りませんが)↑こういう態度でいることのほうがよっぽど問題だと思うのだが。

食育基本法」が昨年、施行された。食の知識を身につけ、正しい食のあり方を学ぶ「食育」が推進されるという。これはすなわち、日本人が「食」を正しく教わらなければならなくなってしまったことを意味する。

例えば60代以上(別に50代でも40代でも30代でもいいけど)の男性で「正しい食」を自分自身で実践できる人がどれほどいるってのか。かつての日本で「正しい食」が保たれていたとして(この前提自体怪しい気がするが)、それは一部の人(主に主婦)によって担われてきたもので、日本人全体が「正しい食」を知っていたわけではないんでないの。