遅ればせながら給食費未納について(追記あり)

普段ほとんど読んでなかった日経の社説をたまたま読んだ。この問題についてはどの新聞社の社説も酷いなと思っていたけれど、日経のは特に酷い。


社説 給食費未納が示すモラル崩壊(1/28) ー日経新聞

 月々4000円から5000円ほどの給食費をなぜ払わないのか。調査では「保護者としての責任感や規範意識」が原因と認識している学校が6割に達した。払えるのに払わない親が過半を占めるということになる。

「保護者としての責任感や規範意識」が原因と「認識している学校」が6割なのであって、「保護者としての責任感や規範意識」が原因で「払わない親」が6割いるわけではない(追記:改めて確認したら、これは生徒ごとについての認識だったので、「払えるのに払わない親が過半を占める」ということで間違いではありませんでした。ただし、そういう風に「学校が認識している」という点についは変わりないので、下の問題は残りますが)。

「保護者の経済的な問題」とみる学校が3割強あるが、これらの家庭がすべて、それほどに困窮しているのかどうかも疑わしい。家計に余裕がないとしても、他の支出よりも給食費の優先順位を低くしているケースが多いと考えざるを得ない。

「保護者としての責任感や規範意識」については学校の認識を鵜呑みにしながら、「保護者の経済的な問題」についてはいきなり疑ったあげくに何の根拠もなく「考えざるを得ない」と断言。なんですか、このダブスタは。

今回判明したのは05年度分だけだ。累積では未納額が大きく膨れ上がるのは間違いない。調査でも半数の学校が「過去数年、未納が増えた」と答えている。もはや放置できない水準に達しつつあるといえる。

そりゃあ累積では未納額は膨れ上がるでしょう。なんたって累積ですから。しかし、「今回判明したのは05年度分」と分かっていながら「もはや放置できない水準に達しつつある」とは何を根拠に? ちなみに安原宏美さんのブログのコメント欄に、「文部科学省に電話して、過去の学校給食費徴収のデータがあるのかを質問してみました。ないそうです。他の官庁でもそんなデータは、たぶん持っていないとのこと」とのコメントが。

給食費に限らず利己主義的な保護者が増えているのが実情だ。

だから根拠を示せと。
それにしても日経の社説の質の低下は著しいですね。読んでないけど。

ちなみに産経の社説も酷い。

 かつて親たちは自分の子供の教師を尊敬していた。学校を軽んじるようなことはなかった。子供にも恥ずかしい思いをさせないようにと、給食費の集金袋にきちんと現金を入れて持たせてくれた。昔の親たちのこうした姿を思い出したいものである。

ハイハイ、ムカシハホントニヨカッタデスネ。