校内トイレで出産

高3女子が校内トイレで出産、携帯でSOS…赤ちゃん死亡(読売新聞)


こちらの事件、ブクマやあちこちのブログで取り上げられている様子。特に女子生徒の妊娠に周囲が気づいていなかったことに「信じられない」「あり得ない」という反応が多いように思う。確かにショッキングな出来事なのだが、私自身は「あり得ない」とは感じなかった。なぜならこれとよく似た話をずいぶん以前に聞いたことがあったから。
母から聞いた話だし、かなり前のことなので記憶があいまいなところもあるのだが、やはり高校生が在学中に妊娠、本人も(もしかしたら本人は気づいていなかった「ということにしていた」だけかもしれないけれども)家族も妊娠に気づかないままに自宅のトイレで出産(赤ちゃんは無事)したというもの。この高校生はぽっちゃり型で、また母親もかなり太めの体型だったようで、親は娘が太ってきたようだとは気づいたものの、母親の体質が遺伝したのだろうと考えていたのだという。また、体格等によってお腹が目立ちにくい場合もあるし(自分の場合も9ヵ月ぐらいまではあまり妊娠に気づかれなかった)、つわりがほとんどない人も珍しくないし。私としてはむしろ胎動について本人がどう思っていたのかが気になるが、これも人によってはあまり感じないものなのかもしれない。
母が保健師として働いていた頃の話だから、かれこれ20年ほど前のこと(もしかしたらもっと前)。だから今回の事件をもって、「今どきの女子高生は」「最近の親は」「イヤな時代になった」などとはいえない。ましてや「ジェンダーフリー教育が」なんてね(さすがにこんなこと言う人はいないと思いたいが)。また、今回の件は不幸にも赤ちゃんが亡くなってしまったこと、学校内のトイレで出産したことでニュースになったけれども、実はこういうことはこれまでも少数とはいえ起きていたのではないだろうか。いずれにしても誰にも気づかれず、あるいは誰にも相談できず一人でトイレで出産するなんて、赤ちゃんはもちろん母親にとっても非常に危険。とはいえ、もし本当に本人が妊娠に気づいていなかったのだとしたら、相談支援体制の充実だけでは対応できない。やはり妊娠出産のしくみ、望まない妊娠を防ぐ方法等についてのきちんと知識を身につけておくということは外せないだろうと思うわけです。