「家族の絆を守る会」ですって

id:Apemanさんのエントリ経由で久しぶりに「伊勢崎のジャンヌダルク」のブログを見に行って、「家族の絆を守る会」なんちゅうものが結成されたらしいことを知る。


http://blog.livedoor.jp/junks1/archives/50980405.html
http://blog.livedoor.jp/junks1/archives/50972488.html


で、この会の設立趣意書が紹介されているのですが。

世界人権宣言第十七条には、「家庭は、社会の自然かつ基礎的な集団単位であって、社会及び国の保護を受ける権利を有する。」と述べられています。
 この宣言を待つまでもなく、太古の昔から、家族は互いを守りあい支えあい、安らぎを得てきました。人は、ひとりでは生まれることも育つことも出来ません。人間が生きて行く上で、家族は無くてはならない絶対的な存在です。

ひとり親家族も事実婚家族も同棲カップル家族etc.も「家族」(上の日本語訳は「家庭」となっていますが、原文は「family」になってます)ですけどね。
それから、上の条文は第3項なんですけど、第1項、第2項にはそれぞれ
「成年の男女は、人権、国籍又は宗教によるいかなる制限をも受けることなく、婚姻し、かつ家庭をつくる権利を有する。成年の男女は、婚姻中及びその解消に際し、婚姻に関し平等の権利を有する」
「婚姻は、両当事者の自由かつ完全な合意によってのみ成立する」
と書いてあるのは当然ご存知ですよね?
ついでに第12条に「何人も、自己の私事、家族、家庭若しくは通信に対して、ほしいままに干渉され、又は名誉及び信用に対して攻撃を受けることはない。人はすべて、このような干渉又は攻撃に対して法の保護を受ける権利を有する」とあるのも読んでますよね???
まあ17条と16条を間違えてることにどなたもお気づきになってないようなので、「読んでない」と言われても驚きもしないのですが。

また、家族は人間の幸せの源ですが、いつも幸せな時ばかりを共有できるわけではありません。苦しい時に、家族全員が共に力をあわせて乗り越えることによって、家族は、以前よりも一層固い絆で結ばれ、更に大きな幸せを感じることが出来るのです。

だーかーらー、家族が抑圧の源になっている場合はどうすんのよ。DVや虐待が起きてる家庭で「家族全員が共に力をあわせ」ろって? ああ、そうですね、「性的虐待を受けた場合に拒否するよう」って指導を「不適切」って言っちゃうような人もいますからね。被害者が耐えて表面化しさえしなければ「幸せ」ってことですかね。

どんな時にも家族の一人一人が、互いを信じ、愛し、助け、励ましあい、教えあい、尊敬しあうことを通して、人間は成長し人格を磨き、そのことによって、生きる力や幸せを掴み取る力を得ることができるのです。

でも「児童の権利に関する条約」は認めない、っと。

この家族の中で培われた愛や力は、家族以外の他者を思いやり、愛することにつながります。そしてそれが、健やかで温かな人間の社会をつくり、安定した国家を形成します。

一体何の宗教かと。

家族に愛され信頼され、家族を愛し信頼したことのない人間が、他者を思いやることは出来ません。そうした意味で、家族は、社会や国家にとって、とても重要な存在です。

すごい決めつけですね。これが本当なら、こういうことを平気で言っちゃうような人は、きっと「家族」とやらに「愛され信頼され」たことも、「愛し信頼した」こともないんでしょうね。


で、下の方のリンク先にはこんなことも。

「守る会」は、国家主権主義、個人主義、性革命といったイデオロギーに端を発し、離婚、子育ての価値の低下、家族の時間の衰退、道義的に相対主義となった公教育、性的自認の混乱、乱交、性感染症、中絶、貧困、人身売買、女性に対する暴力、児童虐待、老人の孤独、過度の課税、出生率の低下などといった問題に真正面から考える会であります。

なんだかこの手の方々って日本語がおかしいことが多くて分かりにくいんだけども、後半に上がっているような問題がすべて「国家主権主義、個人主義、性革命といったイデオロギー」のせいだっていいたいんだろうか? 性的自認の混乱がイデオロギーによって引き起こされると? あとこの文脈で「過度の課税」ってどういうこと?


こっちのエントリでは「世界家族会議」の紹介がなされているのだが、

世界家族会議、略してWCFは、国連をはじめとして世界中を席巻し、家族崩壊をもくろむリベラル・フェミニストら左翼勢力との闘いの最前線にいる人達の集まりです。

リベラル・フェミニストって「家族崩壊」をもくろんでたんだ。ふーん。世界中を席巻してたんだ。ふーん。