恐ろしげな調査項目

07年度国民生活白書「つながりが築く豊かな国民生活」が提出されたらしい。内容についてはまだちゃんと読んでいないのだが、概要版をながめながら元データを探したら恐ろしげな調査項目をみつけたので取り急ぎ紹介。
平成18年度版国民生活選好度調査の10ページ。2つの考え方を示してどちらの考え方に近いかを選ばせるものなのだが。


A 秩序を保つためには個人の自由を多少制限するのもやむを得ない。
B 個人の自由を尊重するためには秩序が多少乱れてもやむを得ない。


A 社会のために役立ちたいと思う。
B 個人の生活の充実が最も重要だと思う。


A 家族のために自分が犠牲になってもやむを得ない。
B 自分の生き方を大切にしたい。


このような形式の設問は、「一人でいるのが好き/大勢でいるのが好き」「歩道が狭くなっても車道を広くする/車道が狭くなっても歩道を広くする」などのような、AとBの間にある程度の排他性がある場合にはそれなりに有効だろうが、上の設問はどうか。個人の自由を尊重すれば秩序は乱れるのか。社会のために役立つことと個人生活の充実は両立しないのか、家族のために生活すれば自分の生き方は大切にできないのか。
なぜ、それぞれの考え方について賛成、反対を問うのではなく、AかBのどちらかを選択しなければならないような形式にしたのか。「個」を敵視し公や国家への忠誠を求める現政権下においては、様々な疑念がわき上がってくるのであります。
とはいえ大半の人は「秩序>個人の自由」「家族>自分の生き方」だと回答しているし、過半数の人が「社会>個人の生活」と回答しています。行き過ぎた個人主義、家族軽視、秩序の崩壊はいったいどこに?