韓国で強姦罪の対象をメイル・レイプに拡大

またずいぶんと長いこと放置してしまいました。

さて、どういう経路でたどり着いたかも忘れてしまったのだけれども、たまたまこんな記事をみつけた。

最も目につく変更は、“強姦”に該当せず“強制わいせつ”であいまいに処罰していた男性やトランスジェンダー対象の性犯罪処罰規定を明確に細分化した点だ。強姦犯罪の対象をこれまでの“婦女”から“人”に広げ、これからは男性を強姦した場合にも3年以上の懲役に処される。戸籍上は男であるトランスジェンダーを性暴行したり、女性が男性を性暴行したりしても強姦罪と認定する。

過度な厳罰化や犯罪者情報の扱いに関しては疑問はあるけれども、強姦罪の対象の拡大と非親告罪化は方向性としてよいと思う(非親告罪化については、捜査や裁判のあり方、被害者の支援なども併せて考える必要があるけれども)。

日本でも、メイル・レイプ被害者の自助グループが、強姦罪の対象の男性への拡大等について提言を行っているようだ。

しかし、これが国会レベルで検討されているかというと、国会会議録検索システムで過去15年ほどの議事録について「強姦罪 男性」「強姦罪 性別」のキーワードで検索してみたところ、強姦罪の対象拡大についての議論はほとんど行われていないようである。唯一、平成16年11月の法務委員会で質問および答弁がなされているようだが、これはそもそも強姦罪の厳罰化を主とする法改正をめぐっての議論であったためか、議事録を読んだ感じではさほど深い議論がなされたとも思われない(ていうか、南野大臣と前田雅英の答弁がひどい)。

DVに関してもそうだったが、法整備については日本は韓国に遅れを取ってるよなあ。

そしてこのマイナーなニュースにもせっせと嫌韓コメをつけている人たちのマメさにはある意味感心するばかりだが、このニュースが韓国をdisる材料になると思ってそうなところがとっても不思議。だいたい2004年の強姦罪の厳罰化および集団強姦罪の創設が、「集団レイプする人は元気があるからいい。まだ正常に近いんじゃないか」っていう政治家の失言をきっかけとして、というかその失言の埋め合わせのために推進されたっていうね、そういう国が少なくとも性暴力の扱いや人権に関して他国に威張れる状況じゃないっすよ。