隠れたカリキュラム(というかあんまり隠れてない)
『バックラッシュ!』発売記念キャンペーンブログの『ポップ×フェミ』第5回 : ハーヴァード大学学長の失言を風刺した「ザ・シンプソンズ」のエピソードを読んだ。私は「ザ・シンプソンズ」をちゃんと観たことがほとんどなく、こんな時事ネタというか(広義の)政治ネタを扱っているとは知らなかったので、すごく新鮮でおもしろかった。日本のアニメはマンガ原作が多いせいもあるのか、あんまりこういうのはない気がするよね。
で、このエピソードを読んでいて思い出した、私が受けた「隠れたカリキュラム」。
小学校では通常担任の先生がほぼ全科目を担当するが、私が中学年のときはなぜか私のクラスと隣のクラスの理科の授業を教頭が担当していた。私は高校まではいわゆる「成績のいい子」だった(そして最近では「成績がいい=頭がいい」ではないという当たり前のことを痛感している…orz)んだけど、教頭はテストを返却する際に毎回といっていいほど「いやー、debyu-boさんには参ったばい。こんなに理科ができる女の子は初めて見たよー」と言っていた。最初にそういわれた時こそ悪い気はしなかったけれど、ある時ふと気がついた。私よりも良い点を取っている男子がいるのだ。でもその男子に対して教頭は何にも言わない。ついでにいうと、当時私の理科の点数は他の教科に比べて相対的に低く、私は理科の点数に満足していなかった(かといってそれを克服するために特別勉強とかしたわけでもないけれど)。それなのに、教頭は毎回「debyu-boさんには参ったばい」という。そのうち私は「なんでこの点数でこんなに褒められなければならないのか」と不満にさえ思うようになった。
もちろん,教頭の経験上男子よりも女子の方が理科が不得意だと感じていたのだろうし、(多少の誇張はあるとしても)心から褒めてくれていたのだろうとは思う。けれども、そうして褒めることが結局は「女子は理科が不得意」だという考え方、あるいは現状を再生産する可能性があるなんて、彼は考えもしなかったんだろうな。
ちなみに、(どういう文脈でかは覚えていないが)彼はよく「女の子はみんな美容師さんになればいいとよ。ちょこちょこっと髪の毛をいじって、「うわー、きれいですねー、似合いますねー」って褒めとけばお金がもらえるんやけん、いいよー」と言っており、その度に私は「小学校の先生はいいですね。教科書には答えが書いてあるし、夏休みや冬休みもあって」とイヤミの一つも言ってみたい気分にかられていたような気がする(もちろん本心で小学校の先生が楽だと思っていたわけではありません)。
フェミなんかはとまったく無縁であった小学校時代の私だが、教頭の発言にはなんか変だなーという気がしていた(ちなみに教頭は気さくでわりと人気があったし、私自身も嫌いなわけではなかった,というかむしろ好きな先生の一人だったと思う)。当時の友だちはどう感じていたのだろうか。ちょっと気になる。