字幕を信じちゃいけないよ。

NHKチャップリン特集をやっている。今日は『キッド』と『担え銃』だ。『キッド』はビデオをもっているのだが、ある部分の翻訳が気になって観ていた。
それは、ジョンが病気になり、町医者が診察に来たところ。ジョンが孤児だと知った医者はこう言う。

This child needs proper care and attention.

そしてその後、「proper care and attention」を提供するものとして、孤児院の職員がジョンをつれにくる…という風につながるのだが…。
今日の放送では「この子には手厚い看護が必要だ」と訳されていた。文脈からいって「看護」と訳すことに多少の疑問はあるが、まあ許容範囲だろう。何しろ手持ちのビデオでは「手厚く看護してください」と訳されていたのだから。
「This child needs proper care and attention.」というのはつまり、ここ(チャップリンのもと)ではちゃんとした世話が受けられない、ということを意味しているはずだ。だから孤児院へ入れようとする(孤児院でちゃんとした世話ができるかどうかはともかく)わけだが、ビデオではその辺の流れが全く分からなくなってしまっていた。


そういえば、『G.I.ジェーン』(ビデオ)でも、教官に拷問にかけられているオニール(デミ・ムーア)が「いい加減にやめて」と言う台詞が出てきた。オニールのキャラにしてはずいぶん軟弱なことを、と違和感があったのだが、よくよく聞いてみると、他の隊員に教官が「仲間の居所を吐け」と迫るのに対し、「Don't do that」(「(居所を)言うな」)と言っていたのだった。これも全く違った意味になってしまっている。



英語ができるわけでもなく、映画を山ほどみてるわけでもない私でも変だな、と思う翻訳に遭遇することは結構あるので、字幕の間違いってかなり多いんだろうな(『指輪物語』の第1作目なんかは有名ですが)。
そういえば、劇場で『フィラデルフィア』を観た時、判決が出るシーンで「250万ドルの賠償金」(数字は適当)が「250万円の賠償金」になってた気がするのですが…。もう10年以上前のことだし、あんまり過ぎる間違いなので自信はないのですが、誰か覚えている人いませんか…?