とはいえ自分も言葉を結構いい加減に使っているのだが

上のエントリに関連して思い出したのが、「ドラマで『弟じゃいやなんだ… 男以下はいやなんだよ!』という台詞が出てきたけど『男未満』では?」というappuappuさんのエントリ。私も「人間以下の扱いを受ける」という表現に違和感を持っていたので、そのことをコメントしたのだが、よくよく考えると「○○以外」という時には○○は含まないよなあ、と気づいた。こんな感じで(ちょっと違)。そこでYahoo!辞書で調べてみると、

以上・・・数量・程度・優劣などの比較で、それより上の範囲であること。数量では、その基準をも含む。

とあった。なるほど、「以上」「以下」の意味について詳しく教えられるのが算数の時間だったから、てっきり基準を含む方がもともとの意味で基準を含まないのは間違いだと思っていたが、どうも逆なようだ。推測するに、もともとは「より大きい」の意味で使われていたが、数学的な用語として例外的に基準を含む意で使用されるようになったのかもしれない。だから「男以下はいや」「人間以下の扱い」は数量ではなく程度を表すのだから、「以下」で間違いではないのだな。
そういえば、上の「男以下」というのと類似の表現に「友達以上、恋人未満」というのがある。これは「友達よりは親しいけれど、恋人まではいっていない」という意味だと思うので、「以上」は「基準を含まない」意味で使われているのだけど、これに対しては違和感はなかったな。しかし、それならば「友達以上、恋人以下」でもいいはずなんだけど、これだとやっぱり変な感じがしたかも。
こうして考えてみると、言葉の使い方なんて結構いい加減だよなあと思うのだが、ネイティブスピーカーではない人が日本語を学ぶ時に「以上」「以下」の用法で困ったりとかあるのだろうか。というか、自分が質問されたら困るかも(小栗 左多里の『英語ができない私をせめないで!』で、冠詞の「a」と「the」の違いについて説明を求められたトニーが困るというエピソードがあったような)。