浮いてるね、のってるね

先日のエントリid:annntonioさんが言及されていた、東京都男女平等参画審議会において、一体高橋史朗ちゃんはどんな発言をしていたのだろうと読んでみました。


まずは第1回審議会での発言。

まず、最初に基本的な考え方を申し上げたいと思います。男女平等参画社会というのは、 私は、男女共創社会と位置付けております。「共創」はあちこちで使われるようになりましたが、違いを生かし合ってともに新しい秩序をつくるという意味でございます。男女の違いを否定しすぎたり、強調しすぎたりする両極端を廃すべきだと思います。

いきなりオリジナルな定義キターーー。しかし、「違いを生かし合ってともに新しい秩序をつくる」のなら、男性の中の違い、女性の中の違いを生かすべきでは?

先ほどバックラシッュの話もありましたが、どうしても極端から極端にという議論が目立つわけでございます。

と、極端なお方がおっしゃってます。

私はかねてから、一方で、13時間保育を推進しておられる都のあり方に対して疑問を持っ ております。これまでの少子化対策あるいは子育て支援策が、労働者としての親支援だけではなくて、教育者としての親支援とのバランスをとっていくことが大事であろうかと思っております。 その意味では、世界あるいは国内でも、親教育支援という流れがありまして、(略)これは、オックスフォード大学のトーマス学長が、5大学長会議で、(略)最近は、「親力」ということをおっしゃる方もいらっしゃいますけれども、親力とか親学の向上を図っていくような親教育という視点をどう具体化していくのかということ を、議論の対象とすべきではないかと思っております。

えーっと、男女平等参画審議会でしたよね?

まだほかにもございますけれども、3分以内ということですので、きょうはこの辺にしておきます。

3分と指定しておいた事務局GJ!


続いて第4回審議会議事録から。

これは私が一貫して主張してきたことでございます が、下から5~6行目に「親が子育ての意義、喜びを実感できるようにするために」という記載がございまして、そのための親支援ということの内容ですが、少子化という観点から 考えましても、私、2回目のときに申し上げたかと思いますが、子どもを産み育てたいという内発的な動機づけが大事でありまして、親になるための学習という視点、あるいは親育ち、親の人間的な成長を促す学習の場が必要だと考えております。
今日もたまたま、NHKの朝のニュース番組で、全国に広がる親教育という特集をやって おりまして(…以下延々と続く)

あのー、ズレてますよ?

前回のペーパーの中で紹介いたしましたが、文部科学省が昨年初めて全国で実施した、 「男女の扱い等に関する調査」が行われまして、(略)それによれば、雛祭りや鯉のぼりについて、46の公立幼稚園が男女平等に反するとして中止したということが書いてございます。

調査の概要はこちら。全体の0.87%でございますね。

そのほか、キャンプや修学旅行などで男女同室で宿泊した小学校が345校等々、男女の混合の騎馬戦とかいろんなことが書いてございまして、そういうことを見直すことの視点が基本計画にはっきり書いてあるわけでございます。文部科学省が同日に出した通知の中でも、ジェンダーの視点の定義を明確にして誤解の解消に努めるとか、恣意的な運用や解釈が行われないようにわかりやすい広報啓発活動をすすめるとか、そういうことの徹底を求めているわけですが、「教育・学習の充実」のところに、どういう表現かは起草委員会で検討していただければ結構ですが、第2次基本計画の趣旨をきちんと踏まえていただきたいと思います。

小学校の345校は全体の1.5%程度でしょうか。ところで「ジェンダーフリーにもとづいて」という回答はあったのかな?

東京都が「日本の伝統・文化」という教科をつくるということで、そのカリキュラムもでき上がっているようですが(略)。
  鯉のぼり、雛祭りが男女平等に反するという46の公立幼稚園があったということを申し上げましたが、実際に「桃から生まれた桃子ちゃん」という教材が高校の教科書に載っていたり、おじいさんは川へ洗濯に、おばあさんは山へ芝刈りにというジェンダーフリー物語になったり、ジェンダーフリーが、日本の文化を誤解する形で教育の中で広がるとすれ ば、これは東京都が推進する日本の伝統文化に反することになります。

桃子ちゃんは伝統文化に反する! ならば桃太郎が桃から生まれるのも伝統文化に反する! おじいさんとおばあさんは桃食べて若返って子作りするべき! ちなみにWikipediaによれば、香川県では桃太郎は女の子だったという話もあるとか。

また、青年会議所のサマーコンファレンスに出ましたが、「武」は、戈をとどむという平和の象徴だということが載っていたんですが、武というのは男らしさにかかわる、固定的な役割分担意識にかかわるという意見があるんですが、本来、武は、戈をとどむという平和の精神だ、これが日本人の心だということがキチッと理解されるように、混乱のないようにという配慮、 東京都も日本の伝統文化、高校だけではございませんで、小中でも50ぐらいの推進校があると聞いておりますが、小中高を含めた大きな流れになっていくわけでございますので、 その点でもご配慮をいただきたいということを追加したいと思います。

おまいはどこへ行こうとしているのだ。


ところで、答申においては史朗ちゃんの希望が取り入れられた模様。

また、「「ジェンダー・フリー」という用語を使用して、性差を否定したり、男らしさ、女らしさや男女の区別をなくして人間の中性化を目指すこと、また、家族やひな祭り等の伝統文化を否定すること」 *のないよう配慮する必要もあります。(3 男女平等参画を推進する社会づくり

しかし、下にはこんな注が。

男女共同参画基本計画(第2次)」(平成17年12月27日閣議決定)より引用。 ジェンダー・フリーという用語に関しては、様々な考え方や意見があります。この用語をめぐる誤解や混乱を解消するため、「男女共同参画基本計画(第2次)」において、記述されたものです。

なんだか「本当はこんな文章入れたくなかったのだけれど、一人うるさいのがいるのでしかたなく引用という形で入れましたの。本意ではないんですのよ」と書いてるように読めてしまうのは私の目が腐ってるせいですね。


ところで、第2回審議会の事務局の発言で気になる箇所が。

(秋田委員)この審議会の年齢構成はどのようになっていますか。
(産形参事) 申し訳ありませんが、女性委員が半数を占めておりますので、年齢については統計をとっておりません。

何じゃそりゃ。