お金が先か、情報が先か

情報格差で所得低下も ネット利用で白書(東京新聞)

 菅義偉総務相は3日午前の閣議に2007年版「情報通信白書」を提出、了承された。白書は、年収が多いほどパソコン保有率やインターネット利用率が高くなる相関性があることを指摘。情報格差が所得低下など経済的格差につながる可能性がある、と警告した。
 白書によると、パソコンを使ったネット利用率は、年収200万円未満の世帯で52・9%、600万円以上800万円未満で78・3%、2000万円以上が86・4%。
 また、情報取得による経済的効用について、過半数の人が、多くの情報や新しい情報を得ることが経済的に有利と考えており、白書は「情報にアクセスする手段を持たない人は、経済的効用が得られず、所得が低くなる可能性が考えられる」と分析した。

え、そっちなの!? >情報格差が所得低下など経済的格差につながる
もちろん、今は就職活動するにもネットが活用されているようだし、情報の多寡が経済活動に影響を与える面もあるだろう。でも、じゃあどうして経済的に有利である(と考えている)にもかかわらず、情報技術を利用しない人がいるかというと、単純に「お金がないから」という理由も大きいのではないだろうか。経済的な有利さにつながるかもしれないけれど、今日明日の所得を保障してくれるワケではない「情報」にお金や時間を割くほど余裕のない人が多いということなんじゃないか。
情報格差が経済的格差につながる、というのは間違いではないだろう。でも情報格差が生まれる背景には経済的な格差が存在ということはずっと以前から指摘されてきたはずだ(知識ギャップ仮説)。情報格差は経済的格差を生み出すというよりは増幅させるのであって、やはり情報格差以前に存在する経済的格差に注目するべきだと思うのだけれど、なんで「情報格差→経済格差」だけに言及するんだよ、総務省*1

*1:ただ、白書の関連しそうな箇所をざっとみてみたけれど、上の記事で紹介されている「分析」はみつけられなかった(全文検索ができない…)。後でも一回確認してみます。