たしなめられた高校生?

【主張】子供の権利 わがまま許す条例は疑問

個人的に引っかかった箇所について。

例えば、京都の高校生らが国連児童の権利委員会で「制服導入は意見表明権を定めた条約に違反する」と訴え、海外委員から「制服もない国の子供に比べて格段に幸せ」などとたしなめられた。

なんとなく、「かたつむりはジェンダーフリーの象徴」みたいな臭いを感じてしまったので、とりあえず「児童の権利委員会」「制服」とかで検索してみました。すると、いわゆる「保守系」?サイトとか「保守系」?議員の発言の中で、しきりに引用されてる様子。これはますます確認しなければなるまいよ、と思ってさらに見ていくと、このようなサイトが見つかりました。

読売新聞 火曜日夕刊 『発信する仲間たち』2002/12/10より

しかし、政府や社会がこれを真剣に受け止めたとは言いにくい。象徴的な例が、一部マスメディアによる「高校生バッシング」だ。ジュネーブでの意見発表の後、「制服の廃止を訴えた高校生は、国連委員に『貧しくて制服も買えない子どもに比べ、君たちは格段に幸せ』とたしなめられた」などの冷ややかな報道が相次いだ。

 DCI(子どもの権利のための国連NGO)日本支部の福田雅章代表(一橋大学名誉教授)は「当日の録画ビデオでも、委員からそんな発言はなく、記事はねつ造。背後には『豊かな国にいて何の不満があるのか、この甘ったれ』という高圧的な子ども観がある」と話す。事実、何人かの子どもたちは、発言がもとで周囲の大人から非難された。

 委員の実際のコメントは「国際社会の面前で発言できたのだから、君たちは幸せ」「私たちが皆さんの発言によって変わったように、皆さんの周囲も変わる」だったという。日本の審査で議長を務めたカープ委員も同年十二月に来日した際、発言を改めて称賛し、「心ないメディアが彼らをおとしめた」ことに憤りを表明した。

 
もちろん、これもメディアの記事であるわけですから、これが真実であると思っているわけではありません。本当は公式な議事録でもあればいいのでしょうけれど(ただ、あったとしてもそこまで細かく起こされてないかもしれませんが)。記事中では「当日の録画ビデオ」に基づいた発言がありますが、DCI日本支部代表の言では「子どもの権利」に反対の方々は耳を貸さないかもしれませんし。
ただ、実はすでにブコメでid:baisemoi_bulletさんという方が指摘しておられたのですが、そちらのコメントによれば「ここで語れる幸運」「その幸運を抑圧の改善に活かしてほしい」との発言だった、とのことです。なんだ言い方が違うじゃないか!ねつ造だ!大ねつ造だ!などど思っちゃう人はさすがにいないですよね。むしろ同じような内容で表現の異なる2つの文があるということは、(委員の発言は当然日本語ではなかったでしょうから)その訳の元となった発言が実際にあって、それを2人以上の人が確認した、ということを意味するのではないかということで、少なくともこのような発言が実際になされたという信憑性を高めるものかもしれない、と思います(baisemoi_bulletさんが簡約化されたのかもしれませんが)。

まあ少なくともこれが朝日でも毎日でもなく読売の記事である、ということは注目されてよいかもしれません。


しかし、もしもこの発言(「たしなめた」とされる方の)が実際になされていたのだとしても、「もっと不幸な人がいる」論法でいくと、先進国には人権は必要ないってことになりませんかね。