「ポストが赤いのも」とか「坊主憎けりゃ」とか

数日前の天声人語を読んでいて、顎がカコーンと外れるかと思いました。
秋葉原の殺傷事件および犯罪統計に関し、

警察庁によれば、全国で去年に起きた殺人事件は戦後最少になった。皮肉なことに、ネット社会で人間関係が希薄化したのが一因という可能性があるそうだ。特定の相手への動機が生まれにくい。そうなったで今度は、「誰でもよかった」が目立っている

だそうです。「可能性」「そうだ」ってものすごくあいまいな書き方ですね。誰がこんなことを言ったのかもよく分かりません。「ネット利用の増大による人間関係の希薄化」といえばちょっと前まで(今でも?)「犯罪の増加・凶悪化」にからめて言及されることが多かったような印象がありますが。特に少年犯罪に関して。まあ「犯罪の増加・凶悪化」自体が疑わしいのですけれども。あるいは人間関係の希薄化が身近な関係での殺人を減少させ、無差別殺人を増加させているということであれば、殺人の件数は変化しないのではないかという気もしますし。しかも平成20年の犯罪統計をみると、通り魔殺人は平成20年には大幅に増えて(といっても14件ですが、)いますが、それ以前ほとんど横ばいというか1桁台で推移しています。人間関係の希薄化の影響が平成20年に突如として起こったのでしょうか。というか過去数年の「殺人事件の検挙件数における被疑者と被害者の関係」をみると、「(親族、知人等以外の)その他」「面識なし」が減少していて、親族関係は概ね横ばい、そのため相対的に親族関係の比率が増大しているという感じで、人間関係が希薄化したことで身近な関係での殺人が減少したというのは非常に怪しい気がします。というかというか、ネット社会になるはるか以前から殺人の件数ってほぼ一貫して減少してるんですけどね。
まあ「可能性」といってしまえばそれこそどんな可能性だって見出せないことはないでしょうけど、犯罪が増えても減っても責められるネット(´・ω・) カワイソス。