男女別学の効果?

もうブクマでさんざん突っ込まれてますが・・・。

 男女の違いを尊重した教育は、学力アップの効果が高いことなどが「第1回男女別学教育シンポジウム」で報告された。
 「日本男女別学教育研究会」(中井俊已代表)の主催で、私立校などが協力。10日に東京都千代田区アルカディア市ヶ谷(私学会館)で初めて開かれた。
 基調講演した中井代表によると、10年前と比べると私立男子高は約4割、女子高は約3割減るなど私立中高などの共学化が進んでいる。一方で開成、灘、桜蔭といった東大合格者の多い学校の9割が男女別学という。


Yahoo!トピックスでは見出しが「男女別教育で学力アップ?」なところにYahoo!の良識を感じた。

日本男女別学教育研究会のブログによれば、シンポジウムのパネリストは全員男子校または女子高、あるいは男女別の教育を行っている学校の校長(前校長1名含む)。そりゃあどなたも自分たちが現在行っている教育について「よい事例」を報告しようとするでしょうね。けど男子のみ、または女子のみの学校では対照群がないわけで、それが別学の効果かどうかなんてわからないんじゃ?と思いますが。
桐光学園だけは別棟での男女別学のようですが、「主人公の心情を読み取る国語の問題で女子の成績がいい一方、物理の授業で男子が力学について直感的に理解が早い例を挙げ、『男女の理解の仕方に明確に違いがある』と指摘」って、これも(統計的に)差がみられる、というだけの話であって、別学の効果とはいえない気がするんですが。それぞれが弱い教科の点数を伸ばした、とかいう話ならまだしも。他にも「国際学力調査で男子は理数、女子は読解力が高得点など特徴がある。また教師に対し、女子は『自分が大切に思われているか』、男子は『その先生に従っていいか』を重視するなど」って、これも現状としての統計的な違いであって、「別学で学力アップの効果が高い」ことにはまったくならないよね。
日本男女別学教育研究会の設立趣意に「ひとり一人の個性を尊重する教育が子どもを伸ばすことができるように、男女の違いを尊重した教育をおこなうことよって、子どもは伸び伸びと学校生活を送り、自分の能力をより伸ばしていけます」ってあるんですが、だったら「ひとり一人の個性を尊重する教育」をやれよなって思うんですが。
まあ私は女子大出身なので、別学(というか女子校。男子校については知らん)それなりにいいところもあったと思ってます。社会心理学エスノメソドロジーの研究でも指摘されてるような、男性の存在によって女性の発言や行動が影響を受けるということも確かに少ないかもしれないし。ちなみに以前仕事でいった女子高では、昼休みに生徒が床にあぐらかいておかし食べてたお。フリーダムだったお。


あー、ちなみにシンポジスト全員が「中高一貫校」の校長でもありますね。産経的な理屈でいえば、男女別学で男女の違いを尊重した教育をすれば、親の学歴や親の所得をアップさせる効果もあると思いますよ。たぶん。