なにおいっているんださんけいわ

兵庫県姫路市が課長補佐以下の職員に支給する時間外・休日勤務手当について、平成23年度に年額300万円を超えた職員が10人にのぼり、最高額は404万円に達していたことが12日、分かった。市職員給与条例に基づく支給で違法性はないものの、民間企業の労働者の年収が減少傾向にあるなか、支給額に上限がない“青天井”に市民から不満の声があがりそうだ。

働いた分の給与を支払うのは当然である。これは価値観とかの問題ではなく、法律の問題である。労働基準法違反を堂々と推奨しようというのだろうか、この産業経済新聞()は。

だいたい、「支給額に上限がない“青天井”」というが、(実際には公務員の人件費は予算で定められているため、予算の範囲内でしか支払われない、とも聞くが)、それはつまり「労働時間に上限がない」ということじゃないか。年間の時間外労働が1000時間を超えるということは、月平均の時間外労働が83時間超、時間外数最高の職員の1436時間はすなわち、月平均で約120時間の残業を1年間に渡ってしていたということである。「過労死ライン」を軽々と超える状況に対し、産経が問題視するのは職員の命でも健康でも家族との団らんの不足でもなく、カネなのだ。記事で紹介されている答弁の中で、繰り返し職員の健康問題に触れられているにも関わらずだ。

私の知っている公務員でも、時期によっては残業代が本給を上回るという人がいる。しかし、その時期の働き方は、土日も含めて毎日帰宅が午前様(通勤にかかる時間はせいぜい30分程度)、4ヶ月近くに渡って休みが1日も無いか、あっても1〜2日という感じだそうだ。

実際のところ、公務員(もちろん民間も)の働き方にも効率化するべき余地はいろいろとあるだろうとは思う。だからといって、実際に働いた時間数に応じた支払いをすることを「市民の非常識」なんて、それが本当なら市民の常識(あるいは民間の常識?)がまるっきりおかしいのだ。だいたい「市民から不満の声があがりそうだ」って、お前が不満なだけなんだろうが。それを仮想の「市民」に押しつけるところが本当に卑怯だよねってはなしだよ、まったく。